姫と年下王子たち
妙に、胸騒ぎがした。



「すみません。道を開けてくださいっ」


少しして、救急隊員が担架を担ぎながら、人混みから割って出てきた。

担架の上には、ぐったりとして横になっている人がいる。


ふと、担架に乗せられている病人の顔が見えた。


その瞬間…、俺は息を呑んだ。


…ようやく、この胸騒ぎの理由がわかった。


その病人とは、…毎週水曜日に来店するはずの由香里だった。
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