フキゲン課長の溺愛事情
「たしかに印象的なプロジェクトですね!」
「うん、ああいうシェアハウスの形態のプロジェクトは初めてだったから、すごくやりがいがあった。今は古民家@ホームに管理を任せてるけど、俺も会員になってるから、事前予約すればいつでも利用できる」
「そんなのがあるって知ってたら、私も会員登録してたのにー!」

 璃子が残念そうに言うと、達樹が小さく笑みをこぼした。

「今でも年に一度、二月から三月にかけて会員を募集してる。興味があるならウェブサイトを見てみるといい」
「そうします!」
「で、ほかにはなにを訊きたいんだ?」
「えっとですね……」

 達樹に言われて、璃子はノートに視線を落とした。

 そうしてその日の昼休み、璃子は達樹の仕事に関する姿勢について詳しく、そして趣味――ドライブと意外なことに料理――について少し話を聞き、午後はその情報をもとに社内報のドラフトの作成に取りかかったのだった。 
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