フキゲン課長の溺愛事情
 彼がお好み焼きを作ってくれて、一緒に食べたことに、地の底まで沈んでいた気持ちを救われた気さえしていた。それだけに寂しさが芽生える。

「どうした?」

 達樹に問われて、璃子はあわてて残っていたビールを飲み干した。

「いいえ、なんでもありませんっ。ごちそうさまでした! それじゃ、先にシャワーをお借りします!」

 立ち上がって食器をシンクに入れると、ピンクのカーテンの部屋に戻った。
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