君を想う
エピローグ


大学3年の夏、俺は一人の女子高生と出逢った。


何日か前に夏休みになり、実家に戻って来ていた。
その日、約束していた彼女に会うために待ち合わせの場所に向かった。


偶然、ある現場に居合わせる。


中学生くらいの女の子を数人の男達が取り囲んでいた。
女の子は嫌がっているのに男達は一向に離そうとしない。

「君さ、友達やっぱり来ないんだろ?待ち合わせなんてウソなんだろう?
だったら、このまま一緒に行くか。はい決定」


「来ます」

「ほら、行こう」

男の人達の一人が強引に女の子の腕を掴み引っ張った。

「私、行かない。やだっ……離して!!」


「いいから、いいから」


「でもっ、ここで待ってるって約束だから」

良く見たら男の一人に見覚えがあった。

高校の時の部の後輩だった。
指導係として面倒を見ていた一人だ。
うちの高校の陸上部は強くて有名で練習もかなりキツかった。
いつのまにか来なくなり、他の真面目に来ていた後輩達から喧嘩などの問題を起こしては停学等を繰り返していたらしい事を聞いた。

間違いない。あれは保田だ。

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