SEXY-POLICE79
第四章:椿姫伝説
ここがいったいどこなのか、それは自分にしかわからない。他者には必ずしも目に見えない分厚い壁というものがある。一人になるのはこわい。こわくて冷たくて、暗い暗い海の底。そこは楽園ともいえる楽しいところで皆とわいわい騒いでいる。

「また…夢…」

自分はいま夢の中にいる。知らない人たちとたくさん触れ合って、たくさん遊んで、たくさん苛められて、たくさん泣いて……。ごおごおと業火のごとく炎上する街を一人の人間が不気味な笑みを唇に浮かべながら眺めている。手には刀を服のあちこちには血がついている。この人間がやったのか。

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