まるでペットのような彼
それがつい先週の話しだっていうから奈央子の落ち着きにもビックリだ。


「まぁ、なあなあになりそうだったから、よいきっかけになったのかもしれないんだ。

…だから、郁美。今晩付き合ってね。」


ニッコリと断れる雰囲気のないお誘いをされる。


仕方ないと思いつつ、入社以来のよき友人に付き合おうと思った。










「ところで、私のことは、このくらいで、最近話題の一条さん。」

奈央子が私のことを一条さんと呼ぶと、やな予感しかしない。


「最近、ずいぶんと色気を感じると思うんだけど…」

ずいと睨み付けてくる。


「き…気のせいじゃない?」


「……」


うっ…
奈央子の沈黙した眼差しが痛い。



「まあ、今は聞かないでいてあげる。
今夜、覚悟しといてね。」




ああ…
今夜、無事に帰れるだろうか…


明日、休みだから奈央子にとことん付き合わされるんだろうな。
こういう奈央子からは、簡単に逃げられない。



私は、今夜のことを覚悟しながらレストランを出た。











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