ハピネス
確かに惟万理の言う通りだ。世の中には例えどんなに頑張っても変えられない事と、変えられる事がある。


じゃあ、私の❝アレ❞は?


私の❝アレ❞は、本当に変えられない事?


私は……ただ楽な道を選んで、目を逸らそうとしているだけじゃない?


「――――決めた」


「えっ?天祢何か言った?」


今度は私の声が聞き取れなかったらしい惟万理が聞き返すも、生憎今は返事が出来ない。


「私は私の、正しさを信じ抜いてやる」


その代わり普段弱気な私には珍しい、力強い灯火が両目に宿ったのに気づいたのは…


本当に惟万理だけだったのかな?
< 220 / 411 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop