ハピネス
でもそしたら、比嘉君の妹の巴ちゃんはどうなっていたか分からない。


ハッキリ言っちゃえば天祢は、巴ちゃんやその家族達にしたら――――…“命の恩人”なのよ。


超が付く程お人好しのあの子が幸せになれて、私も嬉しい。


「ホント…天祢幸せにしないと、許さないわよ」


一瞬……真剣な顔をして紙にハンコ押しをする少年の姿が、脳裏を過ぎった。


階段から落ちて眠っていた天祢がその間何があったのか知る事は、きっと永遠に無い。


それでも頑張った“彼”なら、きっとあの子を守り通す事が出来ると思う。


「さーーてとっ、仕事に戻りますか」
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