ハピネス
そう言い終わったリリアにポンッと背中を押されて、私はネコが降りられなくなっている木の真ん前に立った。


上方では、相変わらず茶色のネコが弱々しく鳴いている。


私はとりあえずリリアの言う通り頑張って頭と心を無にして、目を閉じて考えてみた。


イメージ…あのネコを助けるイメージ……


木の上のネコを救うという事は、=ネコを地上に降ろす事を意味する。


でも私は木の上には登れない………だったら、逆に“ネコの方から”降りて来て貰えばいいんじゃないの……?


ネコ救出のイメージが固まり、ゆっくりと目を開けてネコを見上げた。
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