僕が嫌いな君が好き
第3章

諦めるよ

あの日から、俺は森さんと接触するのをやめた。

邪魔者になりたくない。

幸せになって欲しい。

本気でそう思ったから。

森さんやって、もともと俺のこと嫌いやったんやし。

これで、いいんだ…。

そう言い聞かせて、2週間が経とうとしていた。

そんな時、俺はある光景を目撃してしまった。

課題のための買い出しで、少し遠くまで一人で出掛けていた時だった。


「あの人…」


街で濱田さんをたまたま見かけた。

だけど、その隣を歩くのは、森さんじゃない。

別の女の人やった。

ただ並んで歩いてるだけなら、気にはならなかった。

サークルの買出しかも知らん。

もしかしたら家族かも…

だけど、俺はこの目で見てしまった。

指を絡め合い手を繋ぐ二人を…

…どういうことやねん。

別れたんか?

にしては早すぎる…。

俺には関係ないことなはずやのに、イライラして、もやもやして…

森さんの幸せを壊すような男なら許さない。

家に帰ってからもずっと頭を悩ませていた。
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