僕が嫌いな君が好き
第2章

諦められない

絶対君を振り向かせたい。

どうせふられるんやったら、ちゃんと俺の本当の姿見てもらってからやないと納得出来へん。

頑張って、好きになってもらおう。

俺はこの時決心した。

そして、この瞬間、君と僕の意地の張り合いが始まったんだ。

俺はない頭をふりしぼって、とりあえず形から入ることにした。

だって、俺のこと知らんのに、見た目でチャラいって判断されてしまったわけやし。

ってことで、久しぶりに髪を真っ黒く染めた。


「竜聖!どしたん!?ツインやなくなってるやん!」


いや、いつからこいつ、ツインタワー気に入ってんねん、笑


「まあ、気分転換かな?」


「あの先輩のためか?」


「先輩のためってか…俺のためかな?」


この姿を早く森さんに見せたかった。


「あっ…」


そこに、タイミングよく現れた。


「おはようございます!」


「…えっ?あっ」


一瞬誰か分からんかったらしい。

目を丸くしていた。

その数秒後、呆れたような溜息をついた真由美さん。


「…君ほんまに頭悪いな?」


「…え?」


「見た目だけ変えても…ね?」


単純すぎやと嘲笑した。

いや、待って?

そんなん、別に良くない?


「森さん、僕のこと知らんでしょ?」


「そんなの、当たり前やん」


「知らんのに見た目だけでチャラい言われたから、見た目変えてみたんですけど?」


そう言うと黙り込んでしまった。


「ちょっとは構ってくれる気になりました?」


どうしようというように、俯く彼女。

少しは俺のこと気にかけてくれた…?

そんなこと考えていた時、


「真由美ちゃんっ!」


彼女の名前呼ぶ声が、背中越しに聞こえた。

彼女が顔を上げるから俺も後ろを振り向いた。


「あ、濱田さん!」


「おはよう!」


彼女はバイバイも言わずに、濱田さんとかいう人の所へ行ってしまった。

あーーー

どうしたら伝わんねやろ…?

ってか、落ち着け俺、どうしてこんなに好きになってるん?

彼女やなきゃいけない理由ってなんなんやろ…?
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