無愛想で糖度高めなカレの愛
○理系男子とチョコレート工場


『相性いいな、俺達』


数年前付き合っていた彼と、初めてベッドの上で溶け合った後。

片手に煙草を持った彼は、もう片方の手で私の髪を撫でながらそう言った。


私はたしかに彼を愛していて、身体を重ねることに幸せを感じてもいた。けれど。

相性が良かったかどうかは、正直疑問だ。

身体も、恋愛観も、彼がまとっていたバニラの甘い香りも。

私にとっては、しっくりくるものではなかったから。



──「そんなに良かったですか? 俺の愛し方」


今、私を目一杯愛してくれる人と出逢ってからは、さらに疑問を感じるようになったの。




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