無愛想で糖度高めなカレの愛
煙草の煙も、本当は嫌だったけれど我慢した。

甘いものが苦手で酒飲みの彼に合わせるため、好きなスイーツやチョコレートはほとんど食べることはなく。

『仕事だから』と、会社の女性達と飲みに行ったり、夜のお店に行くのも目を瞑った。

身体を重ねて、私が達したことは一度もない。それでも感じているような演技をした。

彼以外の人に抱かれたことはなかったから、こういうものなのかと思っていたけれど。


結婚をちらつかされてはそれを意識して、“この人とずっと一緒にいるためには、合わせなくちゃいけない”と、いつからか自分の気持ちを抑えるようになっていた。

心が窮屈になっていることに気付かないフリをして。

彼に愛されていると思えば、多少の我慢は仕方ないと割り切ることができていたのだ。

……しかし、そうして過ごす日々は約一年で終わることになる。


年末のある日、私は会社の忘年会があり、彼は友達と飲みに行くと言っていた。

それを信じていたのに。会が終わった後、帰ろうと駅周辺を歩いている時、私は見てしまったのだ。

彼が、女性とふたりでホテルに入っていく姿を。

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