月下美人の咲く夜を

絡みつく咲月の頬を撫で、顔を上げてキスを落とす。


これで最後なら、最高に気持ちいい、最高に幸せな時間を彼女に。


それが、残された時間に俺にしてやれる全てだった。

「…つ…き………と。」

キスの合間に零れる俺の名前は、小さく震えていた。

「……っ。あ……っ!」

触れるたび反応を示す素肌は、月明かりの下で神々しくもあった。



甘く歯を立て、



深く突き上げ、



激しく啼かせて。



時間の許す限り彼女を抱いた。



潤む瞳から何度も流れる涙を何度もキスで掬って、



「笑って。」



そう囁いた。



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