ぼくらのストロベリーフィールズ
「はい、そうですけど……」
「俺、一吾とバイト先一緒で。のばらちゃんの話聞いてたわ」
「え? そうなの!?」
「あいつ結構シフト入ってるし、たぶん来週まで来ないよ」
聞くと、尚紀くんは4月入ってすぐバイトを始めたところ、
そこで一吾くんと出会い、仲良くなったとのこと。
一吾くんは、表向きは体調不良ってことにしておいて、今はバイトに専念しているらしい。
「えっと、一吾くんは元気?」
「うん。のばらちゃんと会ったこと伝えとくわ」
そう言って、尚紀くんは笑顔を見せてくれた。
「本当? ありがとう!」
尚紀くんは眉毛は薄いし、髪の毛も染めているし、ピアスもついている。
だけど、話してみると穏やかな雰囲気を感じた。
一吾くんの近況が分かったことも合わせて、それにも安心させられた。
尚紀くんも一吾くんも、高校入ったばかりなのにもうバイトしてるのか。
すごいなぁ。