ぼくらのストロベリーフィールズ







「うぇーい」


「うめぇー」


「かんぱーい」



再び一吾くんの家に男子たちが集まった。



かれこれ1週間くらい、私は何もされることなく毎日を過ごしている。



「あの、ありがとう。何かいろいろやってもらってばっかりで……」



得意料理になりつつあるカレーをみんなにふるまった。


炊飯器がないためご飯はレトルトだけど。



「うわぁ美味っ、これトマト入ってんの?」


「おかわりお願いしゃっす!」



お礼を言った私に構わず、男子たちはカレーをほおばっている。



「いいんじゃない? みんな楽しくやってたし」



戸惑う私に、尚紀くんが声をかけてくれた。


そして、料理上手くなった? という嬉しい言葉ももらえた。



「俺ら何気に探偵向いてんじゃね?」


「だってめちゃくちゃボロ出してくんだもーん」



あら……みんな本当に楽しんでたんだ。


でも、味方になってくれたことが嬉しくて、心強かった。




ただ、1つだけ気になっていたのは。


あのナズちゃんがこのまま引き下がるわけがない、ということ。



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