ぼくらのストロベリーフィールズ







保護観察所というとこに母と行き、担当のおじさんとの面談を終えた。


一応は自由の身になれたらしい。



しばらくは定期的に保護司とやらと面談しなきゃいけないみたいだけど。



母はタクシーをつかまえていた。



「産婦人科寄ってから帰るね。今後どうするかは改めて家で決めよ」



前よりもお腹がふくらんだ母。


あ、今蹴ってる、と嬉しそうに僕に教えてくれた。



あの男――母の彼氏は顔の骨が折れたらしいけど、順調に回復して仕事にも復帰しているとのこと。



「はぁ……」



これからどうしようか。



高校は退学して、バイトもバックレ状態。



スマホは返してもらったけど電源が切れたまま。



充電するためにも、いったん家に帰るしかない。


あの男も今はきっと仕事でいないはず。



そう思い、バスと電車を乗り継ぎ、実家へと向かった。




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