ぼくらのストロベリーフィールズ








向かい側の席には、別の高校の制服を着た男子たちが並んでいる。



場を盛り上げようと軽い話題が飛び交い、


女子たちも普段よりもワントーン高い声でそれに応えていた。



今日は、ナズちゃん主催の合コン的な集まりinファミレス。



一吾くんや尚紀くんという、ある意味完成されたイケメンを見慣れてしまったからだろうか。



目の前の男子たちは、話し方やノリはもちろん、髪形や制服の着こなしも全て背伸びしすぎに思えてしまい、


私は微妙に冷めてしまっていた。



「うちもその映画、気になってたんだー」


「まじ? 今度一緒に行かない?」



でも、ちょうど友達の1人と相手の男子が、いい感じになっている。


まあまあこの会は成功なのでは?





「なんかイマイチー。いい感じの人集めてってお願いしたのにー」



鏡に映るナズちゃんは、そう言って色付きグロスを唇にのせている。



「まあねー。みんな高校デビューくさい気するね」


「でしょ!? さすが! やっぱのばらちゃんは合うわ~」



いつもと左右逆のナズちゃんは満足そうな笑顔を浮かべていた。



「今度、一吾くんとの合コンセッティングしてよー」


「うーん。一吾くんそういうのあんまり興味なさそうだし……」


「そこを何とかさー!」



きっとトイレでこんな会話をしているとは知らず、みんな楽しく話したりライン交換したりしているんだろう。




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