KISSしてダーリン。

天才スイマー






「…来たっ…」


「キャー!今日もカッコイイね…!」


「こっち見てくれないかなぁ…」



少し控えめな黄色い声。


頬を赤らめ浮足立つ女生徒たち。


彼女たちの視線の先には………


色素の抜けた茶色いサラサラヘアーに、長い手足、捲られたカッターシャツの袖から覗く筋肉の浮き出た腕。

無愛想なところがたまにキズだが、キメの細かい肌に鼻筋の通った、整った顔立ち。



学園の王子様と呼ばれる、相馬海依(カイ)がいた。



王子様と言えども、キラキラと笑顔を振りまいて挨拶をするような人間ではないためか、女子たちはみんな離れたところからそっと見るのがお決まりのようで。


廊下を歩く彼に誰もが熱い視線を送る中、一人だけドス黒いオーラを醸し出す者がいた。



「あんのヤロー…」




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