ずっと、君に恋していいですか?
それから2週間が過ぎた。

せいぜい1週間ほどだと上田部長は言っていたのに、思いの外、円滑にキャンペーンの準備が進んだ事から、志信はもうしばらくこのまま販売促進課のサポートをする事になった。

もしかしてこのままSS部に異動になったりしてな、と石田たちは冗談とも本気とも取れない事を言っていた。

志信は、販売事業部でデータの入力や取引先の物品会社とのやり取りをするだけの毎日より張り合いはあるかも、と思いながら与えられた仕事に取り組んだ。

仕事をすればするほど、薫の完璧な仕事ぶりを目の当たりにする。

キャンペーンが始まって忙しくなったのか、薫とはまたなかなか思うように会えずにいる。

休みが合わない二人は、たまに会えても一緒に食事をする程度で、以前のように二人でゆっくりと過ごす事はできない。

それでも薫の仕事に深く関わった事で、以前よりも薫を理解できたような気がする。

薫はこの販売促進課と管理課の課長になれるほどの力量を持っているだけでなく、現場でSS課の仕事までしているのだと思うと、青木部長が部長補佐の役職を与えた事にも納得できた。

ただ、知るほどに薫が遠く、自分が頼りなく感じた。




それから更に数日が経ち、2月に入った。

郊外のSSはどこもキャンペーン効果で売り上げは前年比を大きく上回り、商品の仕入れを急かす電話が多く入るようになった。


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