ずっと、君に恋していいですか?
仲直りの酢豚
薫がビールを飲み干して、もう寝ようかと立ち上がった時、スマホのトーク通知音がなった。

(志信…?)

スマホを手に取り、トーク画面を開く。


【 今日はごめん 】


志信からの、たった一言の短いメッセージを読んだ薫は、どうしても志信の声が聞きたくなり電話をかけた。

呼び出し音を1回目の最後まで聞かないうちに志信の声が聞こえた。

「もしもし…。」

「志信…。」

ただ声が聞きたくて衝動的に電話をしたものの、何を話せばいいのかわからなくて、薫は名前を呼んで黙り込んでしまう。

「薫…今日、ごめんな。」

少し気弱そうに謝る志信の声が耳に響いた。

嫌われたわけじゃなかったと安心して、薫の目に涙がにじむ。

「うん…。」

「…泣いてる?」

薫は慌てて溢れそうになった涙を指で拭って、明るい声を出した。

「泣いてないよ。」

「ホントに?」

「うん…。泣いてない…泣いてないけど…。」

「けど…何?」

「志信がいないと…寂しいよ…。」

「うん…そっか、オレもだ。」



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