ずっと、君に恋していいですか?
“待て”と元カノ
薫がようやく仕事を終えた頃には夜の8時半を過ぎていた。

急いで帰り支度をして、これから帰ると志信にメッセージを送り車で家に帰ると、ドアの前で志信が何やらビニール袋を提げて待っていた。

「おかえり。」

薫は久しぶりに会う志信の顔を見るとホッとして微笑んだ。

「ただいま。」

鍵を開けて部屋に入ると、志信は少し首をかしげた。

いつもはきちんと片付いているのに、薫にしては部屋が散らかっている。

「ごめんね。ずっと帰りが遅くて、家の事が全然できてなかったから散らかってるでしょ。」

薫は取り込んだまま無造作に床に置かれていた洗濯物や、今朝まで着ていたであろう脱ぎ捨てられた部屋着を、慌てて拾い集めた。

「仕方ないよ。ずっと忙しかったんだろ?」

(よっぽど疲れてたんだな…。)

志信は手に持っていたビニール袋をテーブルの上に置いた。

「薫、腹減ってるだろ?」

「うん。」

「お好み焼きと焼きそば買ってきた。温かいうちに一緒に食べよ。」

「ありがとう。」

ビールを飲みながらお好み焼きと焼きそばを一緒に食べた。

「美味しいね。」

「美味いな。最近この近所にできた店で買ってきた。今度、一緒に店に行って食べようか。」

「うん。久しぶりにジョッキでビール飲みたい。」


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