僕等はまだ恋を知らない
*
「失礼しましたー………」
パタンと職員室の扉を閉じてから、その場で溜まっていた息を吐いた。
職員室って何度来ても緊張感する。
先生たちが放つ異様なピリッとした空気はちょっと苦手。
「…………早くしないと」
こんなとこで脱力感に浸っている場合じゃない。
沙耶のとこに行かないと。
すぐに廊下をパタパタと走り、リズム良く階段を下りて行く。
急いでいる時って目的地が遠く感じる。
数秒が数分に、数分が数時間に。
そんな感覚だ。