僕等はまだ恋を知らない
「あと2時間……」
小さな声で呟くと。
「……っ!?」
ガタンッとどこからか音が聞こえてきた。
誰か、居る?
とりあえずその場からキョロキョロ周りを見て。
次に死角になっていた壁から恐る恐る顔を出した。
「あっ…………」
光を浴びてキラキラと輝く明るい茶色の髪。
白くて透き通るような肌。
私の恋した全て。
「九条くん………」
壁に身を預け、寝息をたてた九条くんがそこには居た。