ヴァイス・プレジデント番外編
ヤマト先輩に告白するには、ルールがある。


その1

声をかけるのは、必ず先輩がひとりの時を狙うこと。

(間違っても、教室で呼び出してもらったりしないこと)


その2

告白すること、またはしたことを、やたら触れ回ったりしないこと。

(するならひっそりと。泣くのも笑うのも、ひっそりと)


その3

告白すると、3つの質問を受ける。

これには、"はい"、"違います"、"はい"の順で答えること。

(これは、ルールというよりアドバイス?)


…別に、ヤマト先輩が言い出したわけでもなく、どこかに書いてあるわけでもない。

だけど、同じく先輩を好きな子同士の、ぼんやりとしたネットワークを伝って入ってくる情報。


ふうん。


ヤマト先輩は人気者。

彼に憧れる女の子は、後を絶たない。


だけど騒ぐのは禁止。

水泳部の練習や大会を見に行ったりするのも禁止。

みんなの前で差し入れしたりなんて、もってのほか。


なぜなら。

彼はとっても、シャイだから。



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