ゼロの相棒





「俺は、…“フィオネ”を選んだ。




………わかっているのに。選んだんだ。」







私は、さっきよりも大粒の涙を流した。




呼吸がうまくできなくて、嗚咽が漏れる。






つまり、“相棒”っていうのは
魔法を移すための“容れ物”ってこと?






“耐えきれない”っていうのは
“死ぬ”ってこと?







私は、ゼロの言葉を聞いて、すべての謎が解けた。





あの、意味のわからない“相棒”としての条件も。






星の町で、ジンに会った時に言われた言葉の意味も。


“相棒…?この子が?
フィオネちゃんは人間だろ?……本気で言ってるのか?”






都市に来る前、相棒の意味を聞かれた時の表情の意味も。






グランが別れ際に言った言葉も。


“お前なら……魔力にも……きっと……。”






ルークが、泣きながらゼロに言ったあの言葉の意味も。


“僕が…僕がお父さまの魔力をもらうから”










すべて。












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