だから、俺の彼女になってよ。



そそくさと帰ろうとする私よりも先に、香織が声をかけてきた。



「澪南、一緒に帰ろう?佐久間くんも一緒に」



私が和を避けてると気付いてるはずなのに、香織は何事もなかったかのように私に笑いかけてくる。





香織が私と帰りたがってるという和の話は、どうやら本当らしい。



だけど。



「あー…。ごめん、香織。私、これからしばらく塾に行くことにしたの。だから水曜日は一緒に帰れない」


それが本当だろうと嘘だろうと、私はもう3人で帰る気は微塵もないから。




「だからごめん。これからは和と2人で帰って?」



だから私は、和にはバレたであろう嘘を香織にまで吐く。



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