時間よ、止まれ。
「井上、足ケガしてるじゃん。ちょっと待ってろ…」
彼女はまさか俺が現れるとは思っていなかったらしく、きょとんとしていた。
でも俺は、彼女のケガの方が心配だった。
驚く彼女をよそに、俺は素早く消毒液を取り出して、できる限り優しく彼女の傷に塗った。
そして、転がり落ちたたくさんの荷物を拾っていった。
「…新井っ!!」
すると、彼女が突然俺を呼んだ。
はやる気持ちを抑えて、俺はゆっくり振り返った。