修羅は戯れに拳を振るう
思えば修羅こそが、若き龍娘に大きな屈辱を与えた相手。

殴られた訳でも、地べたを這いずらされた訳でもない。

しかし龍娘は、明らかな敗北を刻まれた。

その日から彼女は、武道の意味、拳の意味を考えるようになり、自分なりの格闘哲学というものを形作るようになった。

いわば教師としての龍娘の形成の切っ掛けとなった出来事。

やがて龍娘は、『命のやり取りを禁ずる』という学園での掟に感銘を受け、それがそのまま彼女の拳法家としての哲学に影響するのだが。

…その後、龍娘と修羅は遇う事もなく、そのままお互いに別の武道家人生を送る事になるのだが…。

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