バナナの実 【近未来 ハード SF】
エピローグ




■ エピローグ ■





辻は、ケータイ小説『バナナの実』のシナリオ通り、ハリウッド映画『THE PERFECT AMERICAN DREAM』関連から50億円を得ていた。


ある雑誌の記事によると、この金額、昨年、最も稼いだハリウッド女優の所得とほぼ同じらしい。


英語が母国語ではない彼は、自身の小説『セカンド ソート』が日本で7万部売れた頃から人材探しを始めていた。


その後、ウェブ上での会話がきっかけで、日本在住のアメリカ人と知り合うことに。


辻は、彼女の適性を判断し、かつて作家を志したこともあるリタ・J という女性と、雇用契約を結ぶ。


それを可能にしたのは、7万部の小説売り上げからなる、数千万円の印税だった。


辻は、小説『セカンド ソート』を改良し、リタ・J にその翻訳を依頼。


よって、アンナ・K という著名は、海外出版に即した辻雄也のペンネーム。


それが海外で出版され、欧米を中心に注目を浴びていた小説、『THE PERFECT AMERICAN DREAM』であった。
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