永遠の宝物
幼馴染―――2話
隣に住んでいるお兄ちゃん。

とても頭が良くて、

とっても優しい。

私の一番好きな人。

でも

この時は恋じゃないって

自分でも判っていた。

友達が話すような心の変化は

現時点では見られなかった。



それでも

いつの間にか

身体だけは大きくなって、

お兄ちゃんは高校生に

私は中学生に。

遠くなってしまった

お兄ちゃんは更に離れ、

私の入る隙間は無い。

綺麗な女の人や男の友達が

頻繁に出入りして、

余計に子供だと痛感する。




どうして私は年下なの?

なんでお兄ちゃんは高校生なの?

なんで………

その隣は私じゃないの?





子供のままでいられれば、

泣いて

駄々を捏ねて

拗ねて気を引いて………

誕生日を迎える数が

増えれば増えるほど

余計に動けなくなる。





お願い………

置いていかないで………

私の手を引いて………

子供になれないのなら、

早く大人になるから………

だから……龍くん…………





< 7 / 19 >

この作品をシェア

pagetop