【完】ぎゅっとしててね?
俺が保健室の真ん中にある長椅子に座っている間、一生懸命シーツや布団を直してる、芙祐。



……こいつが本物の悪魔ならいいのに。



「ヤヨおいでー。できたよ」



ベッドに横になったら、布団までかけてくれて、



「まだ寒い?」


って心配顔。


……本当の悪魔なら、お前のことなんか。



白い天井。熱と寒気。
瞼がだんだんと重くなってきた。



目を閉じると、うっすらと夢の中で、芙祐が笑う。
無邪気な、悪魔。



夢か、現実か。


「……芙祐」


手を伸ばして、芙祐の手を追った。

…掴めた。現実か。



看病してくれてるらしい。



「飲む?」


首をかしげて、ペットボトルを差し出す芙祐。


誰にでも優しい。
わかりきったこと。



……やっぱり芙祐が好きだ。



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