強引なカレの甘い束縛


私も明るく笑い、あの日大けがをしたことは「七瀬ってドジだと思ってたけど、私はそれ以上だったのね」と笑い飛ばす姉さんに話を合わせているのだ。

「ね、姉さんに、申し訳ないし、それからもずっと私をこの家に住まわせてくれる忍さんにも、どう言って謝ればいいのかわからないし。……助けて」

「七瀬……」

ひっくひっくとしゃくりあげながらそう言って、私は陽太の首にしがみついた。

ずっと心に重く居座っていた罪悪感と、話さない訳にはいかない苦しい過去をようやく陽太に話せた安堵感。

自分でもうまく折り合いをつけられない複雑な感情をぶつけるように陽太に抱きつき、大声で泣いた。

ソファの上で私を抱きしめ、耳元に「大丈夫、大丈夫、俺がついてる」と言葉を落としてくれる陽太がそばにいてくれて、それだけで幸せだと感じる。

そして、このままずっと、陽太のそばにいたいと、心から願った。



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