強引なカレの甘い束縛


陽太は左手でカートを押し、右手で私の手を掴んだまま売場をさっさと歩いていく。

再び感じる陽太の体温を気にしながら、だからといって自分から振り払うこともなく私はついて歩く。

陽太と手をつなぐことも、腕を組むことも、めったにしない。

それは私たちが恋人でもないからだけど。

その状況に変化があったわけじゃないのにどうして今?

おまけに陽太が口にした言葉の何もかもに疑問符ばかりが浮かんでいるし。

「車の運転があるから、さっき全然飲んでないだろ?」

「え? うん、飲んでないよ。食べる専門だった。車検だって嘘ついて私を運転手にした誰かさんのせいでね。……まあ、それはいいんだけど」

それよりもなによりも。

「私が納得できるように、何もかも説明してよ。今日のバーベキューのこと、全部ね」



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