ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
12.

新しい一歩へ

「ありがとうございます。
Kitchen コトコトです!」

『お花見弁当5個を夕方の4時までに、お願いできますか?』

「はい。出来ますよ。苦手な食材はありますか?」

『みんな、苦手な物はないんだけど、出し巻き卵を入れて欲しいの。みんな大好物で…』

「ふふふ…ありがとうございます。了解です」

カチャ…


昨年末で、トリニティを退職した私は、母と一緒に、商店街の一角でお惣菜屋を営んでいる。


神戸で、母が一人で切り盛りしてた惣菜屋ごと、東京のこの街へごっそり引っ越してきた格好だ。

お昼や晩ごはんに、お惣菜を買って行く人たちは多く、店は繁盛している。

私が加わってからは、こうして注文を受けてお花見弁当を作ったりする。



< 204 / 378 >

この作品をシェア

pagetop