オフィス・ラブ #another code

本人は気づいているのか、いないのか。

彼女には、高まった時のくせがある。


新庄の首に腕を回して、痛いくらいに夢中でしめあげる。


それはもう、こちらがまったく身動きをとれなくなるくらいの力で。

そうなると、もはや物理的に何も続けられなくなってしまうため、新庄は心地いい腕の肌触りを惜しみながらも、苦笑しつつ、なんとかなだめて外させる。


すると彼女は、なんともいえない、心細そうな不服そうな、けれど溶けそうにうるんだ瞳を毎度見せるのだけれど。

それは、日頃さらりとしとやかで落ち着きのある彼女からは、想像もできない姿で。


初めてそれに出会った時には、新鮮さに驚くと共に、あまりの愛らしさについ笑い。

何度も、思うたび口からこぼれた。



可愛い。




< 97 / 148 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop