同居ノススメ


一方、慎太郎の方は

飲み会が始まり
それぞれにお酒が入り

女子参加率の高いこのメンバーで
フアフアした雰囲気の中心にいた。

少し居心地が悪いのを
我慢しながら飲むお酒は、
さほど美味しくない
ってことを初めて知った。


今まで合コンや飲み会だって
難なく参加してきたのに

桃と宅飲みをするようになってから
その居心地の良さを知ってしまい、

『今すぐにでも帰りたい』
という気持ちになっていた。

どれを飲食しても
よく味がわからない、

『これは結構、重症だな』と
自覚していると

長谷川が声をかけてきた。

「店長、
眉間にしわ、寄ってますよ。
イライラしてます?

せっかくなんですから、
みんなのためにもお手柔らかに
お願いします」

と相変わらずの
『カリカリ』具合で伝えてきた。


『分かってはいますよ、
俺だって、社会人だからね。

飲み会の場の雰囲気を壊すなって。
わかってるけど、ねー

とにかく早く帰りたいんです!!』

と思い、
偽りの笑顔を貼り付けてみた。
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