同居ノススメ

そうして4口目で
ようやく桃は我に返り

「あっ!だっー!うっ・・・」

と言葉にならない声をあげて
手に持っていたスプーンを
器に戻し、顔を真っ赤にして
下を向いた。

「どうした?桃?」と
慎太郎が様子をうかがうと

「あっ・・えっと・・ごめん!」

と顔の前で、
手を合わせて謝った。

慎太郎は訳がわからず

「ん?なに?なに?」と聞くと

「つい、うっかり・・・

子どもたちと
同じようにしちゃった・・」

と申し訳なそうに照れながら
慎太郎に目線を合わせてきた。

そんな様子に慎太郎は

「あははっ!そうだったの?
俺、嬉しかったよ?

どうりで
口に運ばれてくるタイミング
いいなーと思ってたんだ

子どもたちにも
同じようにしてるんだな」

と笑いながらいうと、

桃は少し嬉しそうにしながら、

「あははっーそうなんだよね、
特にお昼は戦争で・・」と笑い

器を慎太郎の元へと戻し

慎太郎は、自分でスプーンを
口に運びながら、

「ホント、嬉しかったよ」
と呟き

桃は温かい気持ちに包まれた。


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