同居ノススメ

ぼわっとした意識の中で
桃は

『この人、
ここで寝ちゃったんだ・・』

と、そっと布団から抜け出し
慎太郎の肩に毛布をそっとかけた。

『こんな体勢で寝たら
疲れも取れないでしょ・・』

と思いつつ

自分の体調が悪い時に
寄り添っていてくれる人が
いるということは、
何にも変えられず、
心強いと感じていた。

よく眠れたおかげで
少し頭もすっきりし、
リビングの明かりをつけ
冷蔵庫からゼリー飲料を口に含む。


『あぁ・・
この散らかった
リビングみられちゃったよね・・』

桃は、
季節ごとに変える保育室の飾り付けを
作っている途中だったことを思い出し、
辺りに散らばっていた紙や道具を
そそくさと片付け、

先ほど、慎太郎から発せられた
『一緒に住む・・』という言葉を
少し思い出していた。

『なんでそんなにここに
そんなに住みたいんだろう??』

この疑問だけが残っていた。

再び薬を飲みぼーっとしていると
寝室のドアが開くのが分かった。
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