同居ノススメ

マンションの
オートロックを解除し、

桃は
「どうも
ありがとうごさいました。
とても助かりました」

と深々と頭を下げ、
荷物を受け取ろうとすると

男性は無言のまま荷物を持ち
エントランスまで一緒に入ってきた。

「部屋まで運ぶよ、どこ?」と

口にすると桃の顔を覗き込んだ。

女性扱いされたのは、
かなりのご無沙汰で、
嬉しいお言葉ですが・・と
思いつつ

桃は、
突然イケメンに視界を遮られ
あまりにビックリしてしまい
一歩後ずさりしながら

「いえいえ、もうここで」と
譲らない。

「俺、怪しい奴じゃないから。
運ばせて?」と更に桃に近づく。


桃もそんな押し問答が
どうでも良くなり

早く休みたかったので
自宅前の玄関までようやく歩き
鍵を開けた。

すると男性は桃の横をするりと
通りぬけ、ドアを開けて玄関まで
入ってきてしまった。


桃は驚きを隠せないまま

「あの・・・えっ・・!?」
というと

「あぁ、大丈夫。お邪魔します」

荷物を持ったまま奥のリビングに
入っていってしまった。

「えっ!?あの・・??

何が大丈夫?おーい!!」

と声をかけたまま
桃は混乱と熱にうなされ、
玄関でうずくまってしまった。



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