同居ノススメ
助け合いが必要です

挨拶のススメ


カチャ・・・
カチャカチャ・・・

かすかに聞こえる
食器や鍋の交わる音たち。

ゆっくりと目を覚ますと
辺りが真っ暗になっていて、
自分がずいぶん長いこと、
寝てしまったことに気がついた桃。

しまった!洗濯物!!

と、
ガバッと慌てて起き上がると
キッチンで慎太郎が
夕飯の支度をしていた。

起きてきたわたしに
気がついた慎太郎は
顔だけこちらに向けると

「おはよ!よく眠れた?

顔色もよくなったね」

「うん、おかげさまで
熱も下がったよ。おかえりなさい」

「あっ・・うん、ただいま。

ねっ!桃、それ、イイ!
もう一回言って?」

「おかげさま・・で?」

「違う、そこじゃない!」

「あっ・・おかえりなさい?」

「そうそう!

すっごく久しぶりに言われた!
挨拶って、やっぱりいいね。

これからも桃が先に帰ってたら、
言ってくれる?
俺も言うからさ!!」

「うん・・いいよ。」

そんなに小さなことを
素直に喜んでくれる慎太郎を見て、
桃も嬉しくなったのもつかの間・・

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