同居ノススメ

「よっ・・洋服・・・は、
いいけど、
こんな色気ない下着まで・・・

よく知らない人に
洗濯物までたたませちゃうなんて
返って申し訳ない。

ごめんな・・さい・・・」

と桃は動揺しながら、
ようやく言葉を発すると

慎太郎は近寄ってきて

桃の肩に両手を置き、
顔を覗き込むと

いつもより少しまじめに
低い声で

「俺のこと・・よく知らない人、
なんて言わないで。寂しいよ。

桃も俺の下着、一緒に洗って
干してくれたんでしょ?
それってもしかして、

嫌だった?」

無言のまま俯き
首を横に振る桃。

「でしょ?俺は、桃のものなら
むしろ大歓迎。そんな壁作らないでよ」

と、
このまま桃が目でもつぶれば
二人の関係が、
一歩進んでしまいそうな
雰囲気に包まれ、
桃は耐えられなくなり、

「なっ・・・
なにか手伝うことある?

ご飯、作ってもらってばかりで
ごめんね!」

と、キッチンに足を向けた。
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