徒然なるままに、短歌部





しかし、どうも結論付けられないことが一つある。




昨日の話のことだ。




短歌が好きじゃないのに、短歌部に居座り続ける理由。私の中では、賄賂をもらっていると結論付けようとした。先輩ならそういうことをしてそうだと思った。




でも、それだけでは『結論付ける』ところまではいかなかった。私がここへ来て初めて見せてもらったサラダ先輩の短歌だ。




短歌が好きじゃないのに、サラダ先輩は短歌を詠んでいた。好きでもないことをできるものなのだろうか。私には理解できない。一応、短歌部だからだろうか。それでも、私がここへ来て一度も短歌を詠んでいないことから、短歌が好きじゃないということは証明できている。




もしかして……私がいると短歌が詠めないんじゃないだろうか。




私が来るまでに3人、短歌部に在籍していたというが、話を聞く限りでは、サラダ先輩はこの間に短歌を詠んでなさそうだった。つまり、誰かいるとサラダ先輩は短歌を詠めないんじゃないだろうか。




それで、私を文芸部に戻そうとしているなら合点がいく。




でも、それでも足りない。




それは、サラダ先輩は、以前は文芸部にいたということだ。『埋もれる才能』なんて呼ばれてたくらいだから、きっと文才もある。戸松先輩よりも。




そんなサラダ先輩が、一体なぜ、短歌部に来ることになったのか……そもそも、





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