ずっと、ずっと。【短編】



そんなこんなで今日も話しかけることが出来ず、落ち込みながらバイトに行く。


就業時間が終わる15分前に毎日見てる女の子が入ってきた。


はるか、だ。


はるかは少しコンビニをぐるぐると回ってから俺のレジに商品を持ってきた


話しかけるチャンスかも


なんて思うが、本人は俺のことを一切見ない。


なんでこっち見ないんだよ。


イラッとした直後、彼女はお釣りを受け取らずコンビニから出ようとした。


・・・チャンスだ。


そう思った。


「はるか・・・」

最初の一言は思った以上に出なかった

「はるか!!」


次は大きく息を吸い込み、聞こえる大きさでそう呼んだ。


彼女は驚いた表情でこっちを見て


「冴島・・・くん」


そう、俺の名前を呼んだ


振り向いてくれた嬉しさと


みなみは名前で呼ぶのに、なんで俺は苗字なわけ

って言う怒りと


色々ごちゃまぜになって、


「お釣り忘れてる」


そんな、無愛想な言葉しか出てこなかった。


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