甘いだけの恋なら自分でどうにかしている

「あれ? 課長は?」
「あ、若槻さんが具合悪くなって送って行きましたよ」
「え? そうなの?」
「そうっすよ。小千谷さんがイケメンと遊んでる間にそういうことがあったんすよ。気持ち悪いとか言ってたかな」
「そうなんだ」
「まあ課長が送ってくれれば安心っすよね。頼りになるし」
「まあ、そうだけど」
さっきまで元気だったから、突然のことに驚いた。



家に帰って電気を点けた。
「ただいま」と誰もいない家の中に呼びかけると、シンとした静寂が返事をする。

明日は何も予定がないし、買い物でも行こうかなと考えていると、上着を課長の車に置きっぱなしにしていたことに気がついた。

『課長、今日はありがとうございました。またきりたんぽ食べたいです。あと課長の車に上着忘れました。家が近いというので取りに行ってもいいのですが、都合どうですか?』とメッセージを送る。

冷蔵庫を開けて、お茶を取り出した。
全然既読にならない。返事を待っているといつの間にか眠ってしまった。
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