甘いだけの恋なら自分でどうにかしている

「昨日、早く寝すぎて変な時間に起きたんだよ。二度寝できなくてな。コンビニに行くところだ」
「一緒走りますか?」
「走らねーよ」
「ははははは」
課長は軽く睨んでから、川のほうへ視線を向けた。
「しかし、あれだな。お前の言うとおりだな。朝の空気が気持ちいいな」
「あれ、そんなこと課長に言いましたっけ?」
「言ってたよ。心洗われるだとかな」
「あー、そんなことも言ったかも。あ、そうだ、それより上着すみませんでした」
「おう」
「あと若槻、大丈夫でした? 一応連絡してみたら大丈夫だとは言ってたけど。全然具合悪かったの、わかんなくて」
「車では寝てたよ。まあ本人が大丈夫って言うなら大丈夫だろ。つうかお前、まだここの辺にいるか?」
「え?」
「家すぐそこだから、上着持ってくるけど。いや邪魔か。上着持って走るのもな」
返事をしようとするとお腹が大きく鳴った。
課長は少し笑いながら、「飯、作ってやるか」と言った。
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