甘いだけの恋なら自分でどうにかしている

誰もいないオフィスで


親睦会が無事に終わった。
課長は二次会組に連行されていたので、そのまま参加するんだろう。
今日は少し課長と話したかった。後で電話でもしてみようと思うけど、飲み会中にかけるのは気が引ける。

残ってくれた数人で片付けを済ませ、最終確認で一人研修室へ戻った。
使ったものは片付けられているし、ゴミも全部まとめた。
「よし。オッケーだな」と電気を消そうとすると扉が開いた。
課長だった。
不機嫌そうに「お前、スマホ見ろよ」と突っかかる。
「え、スマホ?」
ポケットから取り出すと課長から、二次会抜け出して戻るといったメッセージが届いていた。

「あれ?」
「まあ、いてくれたから良かったけど」
「すみません」
< 172 / 333 >

この作品をシェア

pagetop