甘いだけの恋なら自分でどうにかしている
ほろ酔いの華さんと、それをおろおろ見守る綾仁くんに見送られ店を出た。


明日も仕事なのに、少し遅い帰宅になってしまった。
でもいい時間だったな。華さんともゆっくりお話出来て楽しかったし、なんだかんだ顕ともいれたし。
中村もこれからどうなるのか。

考えにふけっていると
「あいつ、お前のこと、結構気に入ってる感じだな」
顕はぼそりと呟いた。
あいつが誰かわからず見つめていると
「あれだよ。飯に行っただろ」
「あ、綾仁くん? ふふふ。綾仁くんは別に好きな人がいるからね。大外れです」と得意げに返すと「へえ」とだけ言った。

それから顕は
「週末、何してる?」
「週末? 特に予定は」
「じゃあ、土日どこか行くか」
「え、デートですか?」
「デート以外ないだろ。それを確認する必要あるか」
「ない。ないね」
「行きたいとこ連れてってやるけど」と言うので、嬉しくて頷いた。

家に帰ってから、あれ? 土日どこかに行くってことはお泊りするのかと気づいた。
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