強気なあの子の恋模様
なにせエスパーやし。
時間的に確かに二次会の時間だった。

「二次会行く人ー。」
私ら以外みんな行くっぽい。
「俺らぬけまーす。」
となりの佐藤は私の手を握ってお店から連れ出した。
みんなびっくりしている。だって、佐藤、暗くてあんま喋らなかったしな。
あれれ、友達までびっくりしてる。
なぜやなぜや。
友達にまで本性見せてなかったとか?

「いや、俺、合コンで抜け出すの初めてだからね。」
「へぇー。って、さっきからなんなん?エスパー佐藤?」
「いや、違うから。お前が小声で口に出してるだけ。」
「えー。ちょっと待てや。それはまずい極めてまずい。」
「大丈夫。田辺と話してるときは出てなかった。」
ほっ。
「じゃあ、なんで佐藤の時、出たんかなー。」
って、ちょっと待て。口調といい、何から何まで女子失格ないつもの通りやん!

「えーっと、どこ行くの?」
「どっか、飲み行こー。」
嘘をつこうっと。
「私、お酒弱くてー。」
「いや、嘘だろ。お前、酒強いだろ。」
ひぃー。外見から今まで推測されたことのないことを言われ、焦る。
「それに口調変えなくていーよ。無理しないで。」

「じゃあ、驚くなよ、佐藤。」
これで私のスイッチは完全にオフだ。

連れてきたのは綺麗めなバー。
「佐藤、もっかい自己紹介して。」
「はいはい。」
佐藤巧、彼女なし、大学2年、経済学部、誕生日10月30日、趣味サッカー読書、週末は寝て過ごす。
だとさ。
「香菜子は?」
呼び捨てかよ。ま、いーわ。
さらっと空手から何から何まで嘘をつくことなく答える。だってさ、佐藤と会うことなんてもうないだろう。

さっきからワイン、カクテル、リキュール、日本酒とガンガン飲んでるのに、佐藤は顔つきが変わらない。
さすがに顔が熱くなってきた。
「てか、なんでネコかぶってるの?」
「外見的に女の子女の子してるように見えるでしょ?」
「ん、まぁ。」
「なのにこの口調だと恋愛慣れしてるように思われてひどい目によく合うんだよ、特に合コン。」
「あ、なるほど。」
酔った勢いでベラベラと話す私はもう半分意識がない。
「だいたいなんなのよー!」
酒に呑まれて絡み出した私の意識はどこまで持つのだろうか…






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