フラワーガーデン【アリシア編】
箱の蓋を開けると、中からは、綺麗な光沢のあるふんわりとした水色のドレスが出てきた。

「わぁぁぁ!!」

私はドレスを身に当て、抱きしめる。

昔、母さんがよく読んでくれたディズニーのシンデレラ姫のような素敵なドレス……。
さらさらとした手触りの良い、そのドレスに頬を寄せる。

ジョージ、覚えてくれてたんだわ。

私が以前、シンデレラ姫のような水色のドレスを着てみたいって母さんにせがんだことを。

その時、ドレスの中からパサッと一通の手紙が私の足元に落ちる。

私はその水色の封筒を拾い上げ、裏に返してみると見覚えのある「G」の朱色文字に蔦の絡まった蝋封にドクンドクンと胸が高鳴る。

手紙を手に急いで机の引出しを開け、ペーパーナイフを取り出し、震える手で開封した。



『アリシア
15歳の誕生日おめでとう
ジョージ』



えっ?


これだけ?


たったの……これだけ?!



ジョージにロマンチックな文章を期待した私がバカだったわ。



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